JCRの挑戦 02 生産管理

世界中の患者の皆さんへ
自社製品を安定供給するために

Introduction

2021年にJ-Brain Cargo®を適用した世界初の血液脳関門通過型酵素製剤「イズカーゴ®」を日本国内で発売したJCR。「イズカーゴ®」をはじめとする先進的な希少疾病治療薬の創出が期待される今、グローバル規模の安定供給を目指し、新たなプロジェクトがスタートした。その実現に向けて、JCRの薬を世界に届けたいと願う一人の社員が今日も奔走する。

生産本部 神戸第一製剤ユニット

M.T

2004年入社
薬学研究科 薬科学専攻

入社後、生産本部に配属。西神工場にて原薬製造を担当。2006年、神戸工場にて、製剤製造を担当。2010年、品質保証部に配属。無菌製剤の品質保証業務全般を担当。その間に品質保証グループ長・医薬品製造管理者等を歴任。2021年6月から現職。神戸第一製剤ユニット(神戸工場)にて、ユニット長として製剤製造全般を統括する。

profile
Theme 01

高品質の医薬品をグローバルに安定供給するための
プロジェクトが始動

JCRは現在、兵庫県神戸市内に4つの工場を有しており、原薬製造と製剤化の機能を振り分けている。近年はJCRの成長に合わせ、原薬工場を増設して原薬製造工程を強化してきた。そして今、次のステップとなる新たなプロジェクトが始まろうとしている。
それは本格的なグローバル展開を見据えて、患者の皆さんに届ける最終製品―自社製造医薬品の製剤能力の拡充を目指すというものだ。そんなプロジェクトの中核にいるのが、現在、製剤工場のユニット長として現場を統括しているM.Tだ。
「『イズカーゴ®』に対する世界からの期待値は計り知れないものがあります。これまでJCRは国内の患者の皆さんへ自社製品を届けてきました。しかし『イズカーゴ®』は国内での上市だけでなく、グローバル規模での開発も進んでおり、今後グローバルで自社製品を安定供給するという課題への対応が求められています」。彼自身はこれまでも様々なビッグプロジェクトに関わってきたが、そんなM.Tにとってもさらに力が入る任務だという。「今回のプロジェクトはいわば、JCRが世界規模で躍進するために、生産面での土台づくりを考えるというもの。その任務は重いものの、当然ながらやりがいも大きいですよ」。

Theme 02

海外への自社製品の供給には
いくつかの課題がある

JCRの医薬品製造はここ10年でラインナップが大きく変わり、今、新しい時代への過渡期を迎えている。 「私たちには本当に待ち望まれている医薬品を世界中の患者の皆さんに確実にお届けするという使命があります。 また、今後もJCRには多数の画期的な希少疾病治療薬のパイプラインが控えています。 しかしながら、現在の製剤工場で製剤化できる量は限られており、設備・規模ともに拡充する必要があると考えています」。 グローバルに自社製品を供給するには数々の課題を克服する必要があるとM.Tは話す。
現在、国際共同治験の治験薬の製剤工程については、その一部を海外の業務委託先にアウトソースすることで対応している。 しかし、海外の委託先にトラブルがあった場合、時差や言葉の壁があることで迅速な対応が困難なことがある。 「実際にグローバルに自社製品を供給する際には、自分たちの手で自信を持って製剤工程まで対応できるようにしていきたい。そのために製剤工場の増設など、最善の方法を検討しながら、プロジェクトを進めています」。

Theme 03

自社で作った医薬品を、
自信を持って届けたい

M.Tは現在、通常業務と並行して、経営戦略部など他部署とも連携を取りながら、プロジェクトをどのように展開していくかを慎重に検討を重ねているという。
「このプロジェクトが成功して、医薬品の生産能力が格段に向上し、海外の各種規制にも対応できるようになれば、国内で製剤化した自社製品をグローバル規模で供給できるようになり、JCRのグローバル化戦略の具現化の一歩になります」。
「イズカーゴ®」の剤形は注射剤であるが、これまでに国内で製造される医薬品、特に注射剤が海外に輸出される例はほんの一握りだけだ。そこには海外の各種規制が立ちはだかり、それをクリアするのは非常に困難だといわれてきた。しかし、JCRが培ってきた製剤化技術で生み出した高品質の注射剤を、海外の患者の皆さんへ届けたいとM.Tは将来を語る。

Theme 04

これは世界の未来を変えるプロジェクト

今後、このプロジェクトが実現化すれば、生産業務も海外とのコミュニケーションが更に多くなるだろうとM.Tは話す。 「将来的に『イズカーゴ®』️は国内よりも海外で使用される量の方が多くなると予測されます。 『イズカーゴ®』をはじめ、画期的な新薬を待っている患者の皆さんは世界中にいらっしゃるので、私たちも「国内」と「海外」という意識の壁を作らずに業務に取り組む必要があると思っています」。
自分たちが働く場所は日本の「JCR神戸工場」ではなく、世界に向けての「JCR Kobe Plant」であり、日本から世界へ自信をもって出荷できる製品を作るという意識をもってモノづくりをしたいと力を込める。 実はM.Tはもともと学生時代に希少疾病をテーマに研究を行っていた。「人間が何歳まで生きられるかということは誰しも興味があるはず。 けれど、私自身は同じ寿命を延ばす研究を行うなら、病気に苦しむ子どもたちが1年でも長く生きられるための研究に力を注ぎたいと思ったんですよ」。 今では生産現場で希少疾病の医薬品開発に関わっていることに深い縁を感じるという。
「JCRがターゲットとするライソゾーム病の患者さんの多くは子どもたちです。もし、今携わっているプロジェクトによる取り組みが実現化し、世界中で希少疾病と闘っている子どもたちに安定して新薬を届けることができれば、やがてその子どもたちは成長し、大きく未来を変えてくれるかもしれません。このプロジェクトは患者の皆さんを救うだけでなく、世界の未来に貢献するプロジェクトだと思っています」。子どもたちの可能性は無限大であり、だからこそ世界中に薬を届けたい。その思いが仕事への原動力になっている。

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