Italfarmaco とJCRファーマ デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬Givinostat の日本での商業化契約の締結および希少疾病治療薬についての戦略的提携のお知らせ
JCRファーマ株式会社とItalfarmaco S.p.A.は、本日付で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬Givinostat をJCRファーマが日本において開発および商業化するライセンス契約を締結することを決定し、希少疾病治療薬についての戦略的提携に合意したことをお知らせします。
詳細につきましては、別紙をご覧ください。
なお、本件に関する今期(2026年3月期)の当社連結業績への影響は精査中です。
Italfarmaco とJCRファーマ
デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬Givinostat の日本での商業化契約の締結
および希少疾病治療薬についての戦略的提携のお知らせ
- Italfarmaco は、日本におけるGivinostat の開発および商業化についての独占的ライセンス権をJCRファーマに付与する契約を本日締結しました。
- 希少疾病分野における戦略的提携により、両社のポートフォリオの拡充を目指すとともに、JCRファーマの研究開発パイプラインおよび基盤技術における共同の機会を探求します。
Italfarmaco S.p.A. (本社:イタリア共和国ミラノ、CEO :Carlos Barallobre 、以下「Italfarmaco」)と、JCRファーマ株式会社 (本社:兵庫県芦屋市、代表取締役会長兼社長:芦田 信、以下「JCRファーマ」)は、本日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMD)治療薬Givinostat(欧米での販売名:Duvyzat®)について、独占的なライセンス契約を締結したことをお知らせします。
この契約により、JCRファーマはGivinostat の日本における独占的商業化権を取得し、規制当局への製造販売承認申請を含む臨床開発活動を担当します。
Givinostat は、Italfarmaco 社が開発した経口投与のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であり、DMD 患者に対してジストロフィン遺伝子変異に依存せず使用することが可能です。Givinostatは、米国、EU、イギリスを含む複数の国々で承認されています。なお、日本においては現在承認されていません。
加えて今回の契約は、両社における広範な戦略的提携を確立し、希少疾病の治療における共同の機会を探求するものです。
Italfarmaco のVice President and Head of Business & Portfolio Development であるAntonio Nardi は、次のように述べています。
「このパートナーシップは、Givinostat へのアクセスの拡大および希少疾病領域においてさらに貢献することを目指すという、当社のグローバル戦略における重要なマイルストーンです。JCRファーマのイノベーションへの取り組み、日本における強み、そして患者中心のサイエンスへの注力は、当社にとってJCRファーマが、日本だけではなくグローバルにおいても希少疾病ポートフォリオを拡充するための理想的なパートナーであることを示しています」
JCRファーマの代表取締役会長兼社長である芦田 信は、次のように述べています。
「Italfarmaco とのパートナーシップは、当社が次のフェーズへと成長を遂げるための重要なステップであり、将来の研究開発のパートナーシップやクロスライセンスの機会へと発展する可能性のある、両社の長期的な関係の第一歩となり得るものです。当社は希少疾病の治療薬開発に引き続き注力しており、Givinostat は、このような当社の取り組みをより広範な日本の希少疾病患者の皆さんへと拡大するものです」
Italfarmaco グループのChairmanであるFrancesco De Santis は、次のように述べています。
「JCRファーマとの提携により、重要なDMD 治療薬へのアクセスを拡大するとともに、希少疾病分野における将来のイノベーションの基盤を築きます。JCRファーマとともに、最も必要とされる場所で意義ある治療薬を提供することに尽力します」
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、DMD 遺伝子の変異によって引き起こされる稀な進行性神経筋疾患である。DMD 遺伝子の変異は機能的なジストロフィンの産生を阻害し、ジストロフィン関連タンパク質複合体(DAPC)の崩壊を引き起こす。これにより筋線維は損傷を受けやすくなり、筋細胞内のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)レベルが上昇する。筋維持・修復に必要な重要遺伝子の活性化が阻害される。結果として筋線維は持続的な損傷を受け、慢性的な炎症と再生不良を引き起こす。時間の経過とともに筋細胞は死滅し、瘢痕組織や脂肪組織に置き換わる。1-4 DMD は主に男性に発症し、症状は通常2~5歳に現れる。病状が進行するにつれて筋力低下は悪化し、歩行困難、最終的には歩行不能に至る。やがて心臓や呼吸筋も影響を受け、これらが早期死亡の主な原因となる。5DMD は小児における筋ジストロフィーの中で最も重篤かつ頻度の高い病型の一つであり、世界的な出生時発症率は男児約5,050人に1人とされる。6日本におけるDMD 患者数は約3,500人と推定される。7
Givinostat
Givinostat(欧米での販売名:Duvyzat®)は、Telethon(イタリアの非営利活動団体)やDuchenne Parent Project(イタリアの患者会)との協業を通じたItalfarmaco の研究開発により見出され、遺伝子変異に依存することなくDMD 患者の治療が可能として承認された初の非ステロイド系薬剤である。ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤であり、炎症および筋萎縮を軽減するよう病態プロセスを標的として機能する。作用機序として、HDACの病的な過剰活性を抑制することで、筋損傷に至る一連の事象に作用し、疾患の病態を抑制するとともに筋変性を遅らせる。
Italfarmaco S.p.A.
1938年にイタリアのミラノで設立され、世界中で数多くの医薬品の開発と承認を成功に導いてきた非上場のグローバル製薬企業です。Italfarmaco グループは、直接または関連会社を通じて90 ヵ国以上で事業を展開しています。医薬品の研究、開発、製造、および商業化の分野でリーダーシップを発揮し、免疫腫瘍、婦人科、神経科、心血管疾患、希少疾病を含む多くの治療領域で実績を確立しています。Italfarmaco の希少疾病部門では、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、真性多血症を対象としたプログラムを展開しています。
参考文献
1. Sandonà M, Cavioli G, Renzini A, et al. Histone Deacetylases: Molecular Mechanisms andTherapeutic Implications for Muscular Dystrophies. Int J Mol Sci. 2023;24(5):4306.
https://doi.org/10.3390/ijms24054306.
2. Consalvi S, Saccone V, Giordani L, Minetti G, Mozzetta C, Puri PL. Histone Deacetylase Inhibitorsin the Treatment of Muscular Dystrophies: Epigenetic Drugs for Genetic Diseases. Mol Med.
2011;17(5):457–465. https://doi.org/10.2119/molmed.2011.00049.
3. Bez Batti Angulski A, Hosny N, Cohen H, et al. Duchenne muscular dystrophy: disease mechanismand therapeutic strategies. Front Physiol. 2023;14:1183101.
https://doi.org/10.3389/fphys.2023.1183101.
4. Giuliani G, Rosina M, Reggio A. Signaling pathways regulating the fate of fibro/adipogenicprogenitors (FAPs) in skeletal muscle regeneration and disease. FEBS J. 2022;289(21):6484–6517.
https://doi.org/10.1111/febs.16080.
5. Walter MC, Reilich P. Recent developments in Duchenne muscular dystrophy: facts and numbers. J
Cachexia Sarcopenia Muscle. 2017;8(5):681–685. https://doi.org/10.1002/jcsm.12245.
6. Crisafulli S, Sultana J, Fontana A, Salvo F, Messina S, Trifirò G. Global epidemiology of Duchennemuscular dystrophy: an updated systematic review and meta-analysis. Orphanet J Rare Dis.
2020;15(1):141. https://doi.org/10.1186/s13023-020-01430-8.
7.川井 充. デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者は日本に何人いるか. 脳と発達. 2013;45(Supple.):S324.
お問い合わせ先
Italfarmaco S.p.A.
<メディア問い合わせ>
Anja Heuer / Adolfo Luna
+49 (0) 151 106 199 05
[email protected]
<その他問い合わせ>
Samantha Parker
Patient Advocacy and Communications Lead
[email protected]
JCRファーマ株式会社
経営戦略本部 広報・IR 室
[email protected]