Society ソサエティ

トップサステナビリティ社会(労働環境に関する取り組み)

「チームJCR」一人ひとりが輝ける職場環境づくり、
人財育成を促進するとともに、社会に向けた様々な活動に取り組んでいます。

労働環境に関する取り組み

基本的な考え方

新たに策定した中期経営計画「Reach Beyond, together」にもある通り、「人的資本」への投資を進め、企業価値向上に貢献する人事戦略を確立することを目指していきます。戦略遂行に資する「動的な人材ポートフォリオ」の構築、ダイバーシティ&インクルージョンの展開と組織浸透、個人と組織の活性化、エンゲージメントの向上推進等に取り組み、多様性に富む社員一人ひとりが輝ける職場環境づくりと、本格的なグローバル事業の展開を見据えた次世代リーダーの育成・採用を強化し、「人と組織の成長」に向けた取り組みを推進していきます。

「人と組織の成長」に向けた主な取り組み

戦略遂行に資する
「動的な人材ポートフォリオ」の
構築
  • 人材ポートフォリオの整備をはじめとする人的資本経営の推進
  • 語学力向上のため希望者全員にオンライン英会話や対面の実践トレーニングプログラムを提供
  • 次世代グローバルリーダーの育成(JCRアカデミー)
ダイバーシティ&
インクルージョンの展開と
組織浸透
  • 多様性に富む社員一人ひとりの能力を活かす企業風土の構築
  • 性別を問わず社員が活躍できる職場づくりの推進
  • 障がい者の就労支援に向けた取り組みの充実
  • フレキシブルな勤務を可能とする制度の導入
  • 事業所内保育所や保育助成金などを通じた育児対象者の支援
  • 男性の育児休業取得率向上に向けた取り組み
個人と組織の活性化、
エンゲージメントの向上推進
  • 「求める人材像」を実現する仕組みとしての「人事マネジメントフレーム」を構築
  • 社員の安全と健康を守り、安心して働ける職場環境づくりの推進

戦略遂行に資する「動的な人材ポートフォリオ」の構築

人材ポートフォリオの整備をはじめとする人的資本経営の推進

JCRの事業計画の推進に資する、「人的資本」への投資についての取り組みの中心は、企業価値向上に貢献しうる「人材の育成と確保」と捉えています。今後は、人材ポートフォリオの整備をはじめ人的資本経営の推進に資する制度の充実等に努めていきます。
多様な人材にとって魅力ある集団であり続け、人材を確保するために、国籍・性別・年齢などを問わずコアバリューを共有できることを大切にします。また、人材の確保については、新卒採用はもとより、多様な能力、多様な属性を有した即戦力としての中途採用の強化に取り組んでおり、2022年度は約4,100万円を支出しています。2023年度以降も採用に関し積極的に投資を行い、より専門性を有した人材、多様な人材の確保に注力して、グローバル戦略推進により貢献できる人材ポートフォリオの充実を目指します。

語学力向上のため希望者全員にオンライン英会話や対面の実践トレーニングプログラムを提供

JCRでは、社員の成長が会社の発展へつながるという観点から、社員研修に注力しています。新入社員および各階層別の研修を定期的に開催するほか、社員の自己研鑽や成長を支援するために、英語研修ならびに、2020年度からは自発的に参加意思が表明できる手上げ式研修やe-learningを取り入れました。研修の実施形式も、外部講師を招いた集合研修形式、社外で実施されている公開講座への参加など、社員のニーズや受講しやすさを考慮しています。英語研修においても集合形式、Web形式等、様々な内容・形式で実施しています。

次世代グローバルリーダーの育成(JCRアカデミー)

2022年度に次世代グローバルリーダー育成を目指した「JCRアカデミー」を発足し、グローバルで活躍できるためのスキルを養成する研修を実施しています。参加者はグローバルリーダーとして活躍する際に必要なコミュニケーション力、プロジェクトマネジメント力、リーダーシップ力などのソフトスキルを実践的なプログラムで習得することを目標とします。

ダイバーシティ&インクルージョンの展開と組織浸透

多様性に富む社員一人ひとりの能力を活かす企業風土の構築

JCRは、「チームJCR」こそが価値の源泉であるとの確信のもと、性別、年齢、国籍、障がいの有無などの属性の違いを尊重しあい、多様性に富む社員一人ひとりの能力を最大限に活かすことが重要であると考えており、「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進しています。

性別を問わず社員が活躍できる職場づくり

2018年10月には、女性の職域拡大、女性管理職比率の上昇(2012年度5.8% / 2022年度12.5%)、事業所内保育所の整備、男性の育児参加促進に向けた取り組みなどが評価され、兵庫県から「平成30年(第3回)ひょうご女性の活躍企業」に表彰されました。
また2019年1月に、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する状況等が優良な企業として、厚生労働大臣より「えるぼし(2段階目)」の認定を取得し、2021年度には、「男女の区分なく」を基本方針とした子育てと仕事が両立しやすい職場環境づくりが評価され、「ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰」を受けました。
今後もジェンダーバイアスのない採用・登用を行い、女性がライフイベント等でキャリアを中断することなく働き続けることのできる企業であり続けます。

障がい者雇用の推進

JCRは、ダイバーシティの推進・ノーマライゼーションの実現を目指し、障がいを有する方にとっても働きやすい環境づくりのため、相談員を配置し、面談を通じて体調やモチベーションの確認、働き方についての情報交換も実施しています。2021年度は法定雇用率2.3%を達成していましたが、社員数の増加に伴い、2022年度の障がい者雇用率は2.0%となりました。
今後は、ワークシェアリングの観点から雇用を継続的に創出し、持続的にフォローできる体制を整え、多様な人材が活躍できる企業を目指します。

フレキシブルな勤務を可能とする制度の導入

「社員にとっては仕事もプライベートも大切である」という考えから、フレックスタイム制度、在宅勤務制度の導入や年次有給休暇の時間単位での取得を可能とするなど、フレキシブルな勤務制度、JCR独自の制度を導入しています。2020年よりフレックスタイム制度の対象を生産本部の各工場に順次拡大するなど、取り組みの充実を図っています。
また、JCR独自の制度として2019年から「積立有給休暇制度」を試験導入しました。育児・家族の介護を行う場合や、自身の傷病や慢性疾患の治療・検査のための通院などに、この「積立有給休暇制度」が利用できます。2021年からは、親に限定していた介護を家族へと対象範囲を広げました。JCRは社員の働きやすい環境を提供するため、様々な制度の導入を目指しています。

※有給休暇は未消化分を次年度へ繰り越し可能ですが、労働基準法の定めにより、付与から2年を経過したものは消滅します。その消滅してしまう有給休暇を最大40日積立し、利用することができるという制度です。

事業所内保育所や保育助成金などを通じた育児対象者の支援

育児を行っている社員に対して、研究所内において事業所内保育所を設置しています。また、勤務地の関係で事業所内保育所を利用できない社員に対しては、毎月「保育補助金」を支給し、バックアップしています。これらの取り組み等が評価され、2022年9月に厚生労働省より「くるみん認定」を取得しました。JCRの認定取得は2018年に続いて2期連続となります。
その他、育児短時間勤務制度として、子が小学校2年生の学年末に達するまで、1日2時間以内の勤務時間短縮措置を定めています。

男性の育児休業取得率向上に向けた取り組み

社会的な問題として、男性の育児休業は十分に浸透しておらず、JCRにおいても、女性の育児休業取得率(2020年度100%)と比べた場合、男性の育児休業取得率(2020年度17%)と低い状況でした。男性の育児休業取得率の向上を目指すために、「職場の理解」と「男性社員の意識付け」が必要と考え、社内セミナーとして「子育て支援カフェ」(2020年度参加希望者37名)や「イクボス研修」(2021年度14名参加、2022年度28名参加)等を開催しました。同セミナーでは、外部講師から男性の育児に係るメリット等についてお話しいただき、社内からは過去に育児休業を取得した男性社員および管理職の体験談を共有し、男性社員の育児休業取得に対する理解と協力を促しました。また、人事部門からは男性も積極的に育児休業を取得できる様々な制度の説明を行い、社内報で育児休業取得者のインタビューを掲載するなど、社内で男性育児休業を取得することに対する認知の醸成を図っています。このような取り組みにより、毎年男性の育児休業率は上昇し2022年度は67%となりました。育児休業取得率の向上を目指し、引き続き取り組みを行っています。

個人と組織の活性化、エンゲージメントの向上推進

「求める人材像」を実現する仕組みとしての「人事マネージメントフレーム」を構築

JCRでは、人事企画部と各部署との間で適切な意思疎通を図るため、定期的に将来的な人材に対する考え方のすり合わせを行い、人員計画を策定しています。その軸となる、「求める人材像」と「求める組織風土」を新たに策定し、グローバルで活躍できる人材の「人事マネジメントフレーム」の構築に取り組んでいます。
2023年度においては、上記取り組みの現状調査として、従業員全員にエンゲージメントサーベイを実施し、従業員の満足度を測定するとともに、人材傾向分析(コンピテンシー測定)を実施しました。社員の9割程度から回答を得ることができ、これら調査の分析結果を「求める人材像」と「求める組織風土」の策定に活用しました。今後新たな人事制度の検討にも活用し、持続的にエンゲージメント測定する仕組みの検討にも着手します。
また、人的資本としての人材情報の蓄積、見える化を目指し、会社として基幹システムSAP S/4HANAの導入・構築と並行して、タレントマネジメントシステムSAP SuccessFactorsを導入しました。人事管理の標準ソリューションである当該システムによって、人事データの一元管理はもちろん「求める人材像」に沿ったタレントマネジメントの実現に向けたデータの分析、活用を進めております。取り組み事例としては、社員の目標・評価管理、キャリアビジョンシートを運用しています。キャリアビジョンシートは、社員から年1回今後の希望職務、数年先のキャリア目標等を聴取し、社員個人のキャリアビジョンを会社として把握し、今後の事業運営のための適切な配置や異動や社員のキャリア開発等を検討するためのJCR独自の仕組みです。会社と社員間のコミュニケーションツールとしても機能しています。

社員の安全と健康を守り、安心して働ける職場環境づくりの推進

社員の安全と健康を守り、安心して働ける環境づくりとして、会社から年次有給休暇の取得を促すため、「有給休暇取得奨励」を行っています。また、インフルエンザ予防接種の集団受診や35歳以上の希望する社員には人間ドック受診補助も行っています。職場環境の改善について、毎月1回全社で安全衛生委員会を開催し、改善が必要な点がある場合は、対応を協議しています。また、産業医として2名の医師を選任しており、内1名は精神保健指定医とし、メンタルヘルスケアに努めています。その他、研究所内に「JCRオアシス」として、マッサージを受けられる体制を整備し、仕事中にリフレッシュができる環境を設けています。

Close Up障がい者雇用の取り組みについて

障がい者雇用および活躍の場づくり

JCRは、ダイバーシティの推進・ノーマライゼーションの実現を目指し、従来からの採用活動に加え、障がいを有する方の仕事のあり方について幅広い検討を進めてきました。2021年より新型コロナウイルス感染症流行下においても安定した業務推進ができる体制づくりと、多様性のある働き方としてテレワーク型と出社型のハイブリットの障がい者雇用も導入しています。これにより精神障がいを有する方の雇用拡充も図ってきました。そしてより働きやすい環境づくりのため、相談員も配置し、体調やモチベーションの確認、働き方について1対1の面談を実施しています。2021年度は法定雇用率2.3%を達成していましたが、社員数の急増に伴い、2022年度の障がい者雇用率は2.0%となりました。
今後は、ワークシェアリングの観点から、障がい者雇用の受け皿を創出し、継続して職域を拡大し、それぞれの得意分野で能力を発揮し活躍できるよう努めていきます。それに加えて持続的に障がいを有する方たちのフォロー体制を整え、多様な人材が活躍できる企業を目指します。

障がいのある従業員の支援体制

2016年に施行された「障害者差別解消法」は、事業者に対し、障がいを有する方の生活の障壁となる事象をできるだけ取り除く「合理的配慮」を求めています。JCRでは、障がいを有する従業員が、障がい特性に合わせて安定的な職業生活を送れるよう、上述のハイブリッド型ワークのチームにおいては、福祉専門機関との連携など含めた本人への支援に加えて、社員の相談員を配置して1対1の定期面談を実施するなど、就業環境の向上整備に努めています。

Message

私は、過去に作成された手書きの図面をAutoCADというソフトを活用してデジタル化する作業に従事しており、9名のチームの一員として仕事を進めています。JCRに入社するまでAutoCAD未経験だったので、仕事を始めた当初は、操作や作図手順を間違えるなどのミスがよく起こりました。それらの問題を克服するために、失敗した内容を洗い出し、同じミスをしないためにどのような対策が取れるかを言語化して実行していきました。
JCRでは、チームで一つの作図を進めるため、誰かが休んでもカバーする体制ができており休暇も取りやすい環境になっています。チームメンバーの障がいの特性に対しての合理的配慮が行き届いており、なかでも作業に対する疑問をすぐに確認できる環境であるため、負担をあまり感じないで仕事を続けられています。また、自分の趣味の時間を含めてワークライフバランスが実現できています。

管理本部 人事企画部田代 知美